生産本部 東京建設部 施工一課
望月 克信
「申し訳ございませんが、ここのところ、もう一度打ち直してください」協力会社である工務店の職人さんに対しても、キッパリとした口調で言わなければなりません。梁に打ち付ける釘の感覚が工事の基準書に定められたピッチよりやや長く、測定してみると基準との差は約5ミリ。強度的にはまったく問題ないレベルだが、ピッチが長すぎると打つべき釘の数が少なくなる。そんなところも見逃すことができない仕事です。職人さんも人間だから、時には間違えることもあります。だからこそ施工管理の担当者が入念にチェックする必要があるのです。
職人さんはたいてい自分より年上ですし、キャリアも長いので、言い方には気をつけますが妥協はできません。設計図通りに、そして東栄住宅が定める工事の基準通りに施工が行われるかどうか、監督するのが施工管理の役割。住宅の品質管理の最終責任者といってもいいと思います。
設計部門から構造図と意匠図を渡されると、施工管理部が協力会社を選定し、工期や工程などについて緻密な打ち合わせをします。各現場の担当者は、施工が始まるとほぼ毎日現場に行き、定められた基準通りに工事がおこなわれているか細部にいたるまでチェック。基礎工事から内装の仕上げまで、住宅工事の全工程に精通していないと務まらない仕事です。品質とともに工期を守ることも施工管理の重要な役割。そのため段取りについても入念に計画を立てる。地形や周辺環境などの関係で施工が難しい現場では、資材搬入の日取りだけでなく時間まで指定し、資材の置き場所も決めておく。そうしないと他の業者の邪魔になり、作業効率が落ちてしまうからです。現場で人をスムーズに動かすには、そうした細かいことまで気を配る必要があります。自分の担当が決まったら、必ず現場の環境を確認に行きます。接道状況や周辺の道路事情なども工期に関わる大事な要素です。近隣住民の方々に工事のお知らせと説明に行くことも施工の仕事です。
設計者は、施工のことも考えて設計しなければなりません。施工管理側もベテランになると、図面を見ただけで施工しやすいかどうか、ある程度判断ができます。しかし実際に施工してみないとわからないこともあり、どうしても施工が難しいときは設計変更を求めることもあります。 施工はいろいろな条件に影響を受けます。たとえば雨が降れば、外の工事はできなくなります。だから工程の段取りは、天候状況を見ながら臨機応変に対応する必要があります。職人さんの力量が低いと、品質にも工期にも影響しますから、工務店にお願いをして職人さんを代えてもらうこともあります。とにかく現場のことはすべて施工管理者の責任です。だから現場では監督と呼ばれるのです。
私の1日のスケジュールは、日中は各現場を車で回り、夕方会社に戻ると翌日の段取りなどについて検討する とになっています。工期が遅れ気味の現場が1ヵ所でもあると重圧がかかります。それでも、図面に描かれたものがだんだん形になっていく過程を目の当たりにできるのは面白いです。新しく導入した資材や部材、あるいは工法などが実際にどうだったのか。設計上の問題はなかったのか。施工管理はそういった評価を企画会議の席で設計や仕入部門にフィードバックします。施工管理の提案が次の現場の設計に活かされることも多いです。いろいろな経験をしてみたいという気持ちはありますが、この仕事に手ごたえを感じ始めた今、施工管理の仕事を極めていきたいです。